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新中3生必見! 2020年度岩手県立高校入試 問題分析
新中3生必見! 2020年度岩手県立高校入試 問題分析

 公立高校入試が実施された3月6日、KATEKYO学院・岩手県家庭教師協会では、例年同様に専属プロ講師、教務スタッフが集まり、入試問題の分析会を実施しました。各教科の出題傾向についてお知らせしますので、来年度の受験を控えた新中3生は是非今後の受験勉強に役立ててください。

【国語】

 大問の構成は例年と大きく違ったものの、小問数に大きな差はなく、漢字が1問増えたこと、選択問題の総配点が昨年よりも5点分増えたこと、文章記述問題の総配点が昨年よりも6点分減り記述量も少なくなったことなどから、内容的にも気持ちの面でも受験生にとっては解きやすい問題だったと思われます。

 今年の漢字問題は、読みと書きを本文中から問う問題でした。また、他県では出題されることが増え始めている「現古融合文」も出題され、出題形式の変化に多少戸惑ったことも予想されますが、本文の内容及び設問が大きく受験生を悩ませるようなものではなかったため、しっかり演習を積み重ねた受験生は十分対応できたでしょう。

 特徴的な出題としては、大問3(2) 「直喩」を用いた短文をつくり、その情景・心情を説明する条件作文が挙げられます。国語の授業で習う、短歌・俳句や表現技法など種々の言葉のきまりについての知識にとどまらず、実際にそれらを使って自分なりに表現できる独創性が問われています。また、自分の思いを適確な言葉と表現で伝える発信する力も必要です。

 難しい本文や設問の演習を積み重ねることも必要ですが、様々な問題のパターンに触れること、構成が違うものを体験しておくこと、そして何よりも、問われていることに忠実に解答できているかの確認を強化していくことが国語で高得点を取るためには不可欠なトレーニングと言えます。

【数学】

 大問は昨年と同様12題でしたが、小問は昨年より4問減り20問で、ここ10年で一番少ない問題数でした。そのため、「ことば」や「式」などで説明する問題の配点が1~2点上がり、最大で7点の問題が2問ありました。配点が上がった問題は過去に出題された類題が多く、問題レベルも比較的易しいものが多かったので、平均点は昨年より上がると思われます。また、例年出題されてきた規則性の問題が今年は出題されませんでした。

 全体的に昨年ほど難しい問題はなく、過去問を5年間取り組んだ人にとっては易しく感じと思います。一方、「ことば」や「式」などで説明する問題の合計点数は31点と配点が高く、記述力や表現力が求められます。

 特徴的な出題としては、大問4の(2)が挙げられます。反例を図形で答える問題で、複数の答えが出るという点でも、目新しい問題でした。反例は、論理的に考えるためには必須の思考ですので、反例を考える癖がつくと、ケアレスミスが防げるだけでなく、新たな考えを生むことにつながります。そのほか、大問12は、球と円柱、立方体の空間図形の計算問題で、空間把握能力が求められる問題でした。特に(2)はヒントとなる切り口の図から各立体の位置関係をとらえる必要があります。普段から立体のものを様々な方向から捉えるよう心がけましょう。

 数学を得意になるためには、同じ問題を繰り返し解くことが一番効果があります。苦手な人こそ、同じ問題を丁寧に詳しく解くことを繰り返しましょう。 

【社会】

 大問数は昨年度より1題減り8題、記述問題は7箇所(小問数では5問)で昨年より1つ減(小問数は変わらず)となりました。一方、問題構成は昨年同様に各分野からバランスよく出題されました。全体的な難易度も昨年並みでした。

 今年度も、資料やグラフ・表などの統計を読み取り、論理的に考察し記述する力を問う問題が出題されました。また、大きな視点でとらえる問題がある一方で、細かな知識を問う問題もみられました。

 特徴的な出題としては、大問1(2)、大陸のおおよその形を描く問題が2007年度(H19年度)以来の出題となりました。また、大問5(2)では、出題された各国で最も多く信仰されているキリスト教の宗派を問う問題でしたが、受験生にはあまりなじみがないと思われる正教会に関する知識も必要でした。

 社会の学習では、まず、教科書準拠のワーク教材で基礎・基本の知識を定着させ、その後、過去問や受験用教材を用いて演習をしましょう。特に、資料・統計を利用した問題を解く際には、学習して得た知識をフル活用し、解答を仕上げる力を養成してください。過去に出題された問題の類題も例年出題されることから、過去問は最低5年分、できれば10年分は解いておきたいところです。更に可能であれば、岩手だけでなく他県の過去問を用いて類似問題を解き、傾向をつかむことが有効です。

 【英語】

 出題数・問題構成とも、全体的には大きな変化は見られませんでした。大問7の読解に時間がかかった受験生が多かったと予想されるため、難易度はやや高まると思われます。

 長文では、内容読解に関する問題が多くなり、これまで出題されていた「本文の内容に一致するもの」の問題は完全になくなりました。下線部の英文について「主人公はなぜそう思ったのか」「内容を示すものは何か」「述べられていることは何か」といった、内容をしっかりと読み込まないと答えられない問題が出題されています。

 特徴的な出題としては、大問3のリスニング、大問7の選択問題が挙げられます。大問3は放送文を聞いてメモ(表)を完成させる問題でした。大問7は長文の内容を十分に理解したうえで、要約ともいえる選択肢を選ぶ問題で、しかも選択肢が1つ余るという難しい問題でした。長文問題、リスニング問題とも、来年から始まる大学入学共通テストの出題傾向に類似する出題が見られます。来年度もこういった傾向が続く可能性があります。

 大問8(5)・大問10は例年通りの出題傾向でしたが、引き続き英作文力が問われました。減点されることなく、自分が知っている単語・文法を使って書けるよう英作文の練習をすることが大切です。また、今後も他教科同様、読解力を問われる問題が多くなっていきます。長文に普段から慣れ親しんでおきましょう。

【理科】

 出題数は例年と同じ大問7問小問32問で、各分野よりバランスよく出題されています。解答形式も記号選択、計算。文章記述と多岐にわたっているほか、大問6、7では融合問題が出題され、全体的に例年通りの出題傾向と言えます。記号選択問題は20問配点52点(昨年度16問配点42点)、記述式の問題が5問配点19点(昨年度4問配点17点)と、いずれも増加しました。一方、語句を書かせる問題は1問4点と過去5年の中で問題数、配点とも最少です。全体的な難易度は昨年よりやや易しくなったものの、知識の活用や、資料を読み取って考察する事が求められる出題があり、決して簡単ではありません。

 特徴的な出題としては、大問4(4)が挙げられます。圧力と面積が反比例である事を利用し解く問題ですが、圧力という言葉が問題文に無く、面積から圧力を推測し解く難しさがあります。大問5は燃焼実験の予想をして結果を考察する問題です。(1)は予想と結果を比べる問題で、目新しい出題形式でした。

 理科の学習においては、基本知識を理解した上で。それを活用する力を付けることが必要です。まず教科書準拠のワーク教材を使い基本知識を定着させましょう。その後は入試過去問や受験用問題集を使い、実験・観察型の問題に慣れる事が重要です。また解答を記述させる問題も必ず出題されますので、普段から自分の言葉で実験・観察結果に基づいた考察を書く練習をするとよいでしょう。

 

 

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