今回は、植物が持っているふしぎな力について、わかりやすく紹介します。

植物の根っこの先には「根毛（こんもう）」とよばれる細い毛のような部分があり、土の中にある水や養分をすばやく取りこむことができます。でも、これだけでは水を上へ運ぶには力が足りません。そこで、もうひとつ大切なしくみがあるんです。それが「蒸散（じょうさん）」というしくみです。

植物の葉っぱには「気孔（きこう）」という小さな穴がたくさんあって、そこから水が少しずつ空気中に出ていきます。これが蒸散と呼ばれる現象です。水が出ていくことで葉の中が水不足になり、水は下から上へと引っぱられるようになります。まるでストローでジュースを飲むときのように、葉っぱが水を引っぱっているイメージです。このしくみによって、水は根から茎を通って葉の先まで届きます。つまり、植物は「根で水を取りこみ、葉っぱで引っぱる」というチームプレーで、体中に水を運んでいるんですね。