岩手県立高校の入試日当日となる3/7、当社講師による入試分析会を実施しました。
尚、入試分析は3/7 18:15~IATスーパーJチャンネル、県内ニュースの中でコメントさせていただきました。
【国語】難易度:易
ここ数年様々な種類の文章、資料を読み取り、条件に応じて適切に表現することが求められています。難易度は昨年よりもやや易しくなった印象です。抜き出しの問題が2題増え配点も10点増えていて、しっかり読み取れば確実に正答を導き出せる問題だったと思います。大問3(1)では、昨年と同様に助詞の種類を選ぶ問題が出題されています。大問4(1)では2つの資料の関連性への気づきを問い、(2)の作文では自分の意見に説得力を持たせるため、足りない部分に気づき補足する力が問われました。
【数学】難易度:易
問題構成、配点ともに昨年とほぼ同様でした。今年も基本的な問題が多く、昨年と同様に例年よりも平均点が高くなると考えられます。大問6の箱ひげ図の問題では、教科書改訂後の全国的な流れに沿ったデータの解析や考え方が問われました。一度、問題を読んだだけでは分かりづらく見えても、実際に手を動かし、樹形図等を書き出すことで正解を導くことができます。データサイエンス等、ものごとを分析する力は、どんな職業でも重要であり、思考力を重視した問題が今後ますます増える傾向にあるでしょう。
【社会】難易度:例年並
大問数は変わらず、各分野からバランスよく出題されています。基本的な知識があれば正解できる問題もありますが、資料を読み取って論述する問題も例年通り目立ちます。大問7(4)では、「大きな政府」という語句の意味を国民の負担と福祉の両面から理解し、与えられた図を読み取って、正答を導き出す力が問われました。基本用語を正確に説明する力が求められます。また、大問8ではEPAを結んだ日本とフィリピンの両方の利点を、それぞれ異なる資料から説明する論述問題が出題されました。全国的にもSDGs関連の問題が見られますが、これはSDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関係する内容の問題でした。
【英語】難易度:やや難
大問の構成配点は例年通りでしたが、これまでに見られなかった新しい傾向の設問が長文問題で増えました。特に、大問7(1)では物語の流れに合うように、選択肢の文を並べ替える問題が出題されました。また、大問8(1)では段落の内容を要約する力が問われました。長文問題では文章量が多く、素早く読む力、全体を把握する力が必要と言えます。リスニング問題の大問4では、絵を見てその状況を英語で説明する例年の問題と異なり、絵は無く適切な質問文を選ぶ問題に変わりました。
【理科】難易度:やや難
大問数、小問数ともに昨年と同様でした。例年、出題されていた日常生活に関わる問題が減りました。難易度は昨年同様にやや難しい印象ですが、計算が必要な問題が減ったため、平均点は多少上がると思われます。大問4は昨年同様に全分野から出題され基本的な力が求められました。大問5(4)は仕事と電力量の単位が、ともにJ(ジュール)という関係の理解が必要でした。
【総評】
国語、数学が易化傾向となりました。全体的にも難易度としては高くなかったことから、得点差が出にくい入試だったと言えます。いかに失点を避けられたかが重要になりました。一方、総じて問題の文章量が増えていますので、早く正確に読み取る力が必要です。様々な文章や資料から必要な情報を分析し、その情報をもとに解答を表現する力が求められる傾向は今後も変わりません。1・2年生の皆さんは、教科書やワークを使った基本的な学習はもちろんのこと、社会の出来事にも目を向けた学習を心がけましょう。