生徒さんから「ガラスは固体ですか？」と質問を受けました。詳しく話を聞いてみると、ガラスは液体の特徴を持っていると参考書に書いていたようです。ガラスは固いですし、どう見ても液体には見えません。なぜ参考書には液体と書かれていたのか。この謎を簡単に説明します。
　物質には気体・液体・固体の状態があります。それぞれを化学的に説明すると、物質を構成している原子・分子が自由に飛び回っているものが気体で、不規則に流動しているものが液体、動かずに規則正しく並んでいるのが固体となります。
　原子・分子が動かずに規則正しく並んでいる。これを結晶と呼びます。雪の結晶をイメージすると解りますが、雪の結晶は規則正しい形をしていますよね。これが固体の化学的な特徴になります。
　それに対して、ガラスを構成する原子は、規則正しく並んでおらず結晶を作りません。また、その原子が非常にゆっくりですが、液体のように動いているとも考えられており、これらの点から、化学的に「固体」とは言い切れず「液体」ともいえるのです。